ストリートファイターブログ『レッドサイクロン』

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CAMMの真実

 


CAMMの真実

1996年、アーケードに登場した『エックスメンvs.ストリートファイター』。『ストリートファイター』シリーズの格闘家たちが、アメコミヒーローを迎え撃つ、クロスオーバー作品だ。リュウや春麗といったおなじみの面々の中に彼女もいた。そう、キャミィだ。でも…あれ?

頬の傷007
あれ?なんだか幼い感じ。
しかもコスチュームがちょっと違うぞ。


スパIIで初登場したキャミィは、英国デルタレッドの特殊工作員。しかしエンディングで、彼女の正体は記憶を失ったシャドルーの強化戦士であることが明らかになる。スパイとして英国へ送り込まれたはずが、記憶を失い、デルタレッド隊員として生まれ変わったのである。本作のキャミィは、かつてのベガの洗脳下にあったシャドルー時代のキャミィだったのだ。スパIIより幼く描かれているのも、コスチュームがデルタレッドのそれと違うのもそのためだ。

劇中の時間経過によるキャラクターデザインの変更は当時としては珍しく、本作のキャミィは話題となった。しかしこのキャミィ、マニアックなファンには納得のいかない点があった。

「この頃にキャミィという名前なのはおかしい」
「頬の傷がすでについているはずがない」


という2点である。なぜならスパII時代に、キャミィの名は記憶喪失の彼女が持っていたペンダントのアルファベットからウルフマン大佐が名付けたことと、頬の傷はデルタレッドの実戦訓練でついたという設定があったからだ。シャドルー時代の彼女なら、まだキャミィという名前ではなく、頬の傷もまだないはずなのである。

まさかカプコンはこんな大事なエピソードを忘れていたのだろうか?せっかく“シャドルー時代のキャミィ”という面白いキャラクターを出したのに、過去の設定と食い違うとなると、『スパII』のバックストーリーが台無しである。これはいったいどう解釈すればいいのか。  
頬の傷006
その後、ZEROシリーズにも彼女は登場する。
やはり名前はキャミィ、頬の傷もついたままだ。


この矛盾…、多くの方が「デルタレッド時の設定に対し、シャドルー時の設定は違ってる」と思っているに違いない。デルタレッドのエピソードが先にあったのだ、その後の設定が間違ってると思うのはもっともだ。しかしここで発想の逆転をしてみよう。
「シャドルー時の設定が正しく、デルタレッド時の設定が誤りである」
こう考えてはどうだろうか?もともと名前は「キャミィ」であり、頬の傷もシャドルー時代についていたもの。デルタレッドでのエピソードこそ、ウソっぱちだったとしたら…?

キャミィという名前

スパⅡ時、キャミィの名前は記憶を失いデルタレッドに保護された際、彼女が身に着けていたペンダントの“CAMM”という文字から、ウルフマン大佐が“CAMMY(キャミィ)”と名づけたとされていた。

頬の傷003
ペンダントに刻まれた文字は「740106CAMM」だ。

さも名前とは関係のない文字列から命名したかのように語られているが、そもそもこれは認識票ではないのか。認識票とは氏名等が記され、軍人が個人の識別に用いるものだ。万が一の際の身元確認にあてられる。実は小説『キャミィヒストリー』に登場するふたりの強化兵士も、それぞれ名前と同じ文字の入ったペンダントを持っていた。アニーは“ANNE”、べスは“BESS”である。つまりウルフマン大佐は名付け親のように言われているが、認識票に書かれた名前を読んだだけだったのだ。
 “CAMMY”ではなく“CAMM”(Yが抜けている)なのはなぜかという疑問もあるが、ペンダントに刻まれる文字は4文字までしか入らないのかもしれない。ウルフマンも「CAMM(キャミ)?ああこいつCAMMY(キャミィ)って名前か」程度のことだったのだろう。

しんたろ
5文字以上の名前は入りきらないのだ。

頬の傷

新声社『波動拳の謎』によると、頬の傷は訓練時にナイフを受けたためとされている。跡が残らないように治療することも可能だったが本人が気にしていないのでそのままになっている、と。しかしこれはスパIIのバックストーリーと矛盾する。キャミィは土砂崩れに巻き込まれ大ケガを負ったところをデルタレッドに保護されている。助け出された彼女は全治2カ月であったが、尋常でない治癒能力で周囲を驚かせた。全身の骨折はものの3日で回復の兆しを見せ、わずか1週間で健康体に戻ってしまったという。これはキャミィがシャドルーに遺伝子操作による人体改造を施されているからだ。つまり彼女の特異な身体は切り傷くらいたやすくふさいでしまうのだ。ナイフの跡が残るのは不自然なのである。あるとすれば施術前…シャドルー時代に付いたと考えるべきだろう。

土砂崩れ01
UDONアメコミでのキャミィ救出シーン。
すでに左頬には傷跡が付いている。
右頬にも流血しているが、こちらは完全に回復している。


嘘つきは誰か?

キャミィという名も頬の傷も実はシャドルー時代かあったものだとすると、デルタレッド時代のエピソードはいったいなんなのか?
キャミィはデルタレッドに救出された時、マインドコントロール下にあり、本人の意思とは無関係に特定の行動を誘発させる技術が施されていた。突然、総司令に襲いかかりウルフマン大佐に止められている。生体兵器プロジェクトを進めていた英国軍はキャミィに大きな関心を寄せ、その原理の解明が最優先事項になったという。

うそつき01
洗脳が解けていなかったキャミィ。
軍は彼女の身体に興味を示した。


そうして生体兵器の重要なサンプルとなったキャミィだが、ウルフマン大佐はまだ幼いキャミィが残酷な運命を背負っていることに嘆き、自らの部隊に引き取るのだ。キャミィのデルタレッド入隊の際、シャドルー時代の洗脳は英国軍によって解かれたと解釈するべきだろう。そして過去の忌まわしき記憶は消されたのではないか。過去に通じるような名前や頬の傷に関するエピソードは、新たな記憶を上書きしたのではないだろうか。それは悲しい過去を断ち切ってやりたいというウルフマンの優しさだったに違いない。

うそつき02
キャミィに新たな居場所を与えたウルフマン大佐。

このようにキャミィの名前と頬の傷の謎は、ウルフマンの優しいウソ、というのが当サイトの見解だ。
嘘つきといえば、日本ではイソップ童話の『狼と羊飼い』になぞらえ“オオカミ少年”と表現する。

ん?狼少年??
狼…少年……?
ウルフ…マン…!!

ウルフマンの名前はカプコンの仕込み、真実への伏線だったのだ!!!!

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プロフィール

りょう

Author:りょう
ストリートファイターの投げキャラ好きでパッド派。
ザンギエフやサンダー・ホークで十字キーをぐるぐる回します。



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