ストリートファイターブログ『レッドサイクロン』

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セーラー服を脱がさないで

 


セーラー服を脱がさないで

春日野さくら。ストリートファイトで見かけた“あのひと”を目指して、みようみまねで闘いの世界に飛び込む。初登場の『ストZERO2』では女子高生であった。当初イロモノ扱いされるも、すぐに人気キャラクターになり、続編やCDドラマ、その他さまざまな作品に引っ張りだこ。
そんなさくらがストシリーズ本編で『ストZERO3』以来の参戦となったのが『ストリートファイターIV』である。


成長02
公式ページより。
リュウを追ってストリートファイトの世界に飛び込んだ女子高生と紹介されている。


ファンの間には驚きの声が上がった。
「セーラー服!?」「女子高生!?」
それもそのはず、ストZEROシリーズからストIVシリーズへは、6~7年の時間経過があるのだ。他のキャラも一様に成長のあとがうかがえる。春麗はZEROシリーズでは新米刑事だが、ストIVではICPOで世界規模の格闘家失踪事件の捜査を任されるほどになっている。フェイロンもZEROシリーズでは駆け出し俳優だが、ストIVでは世界に名の知れるアクションスターだ。また、キャミィはストZREOではシャドルーの幼い戦闘員だが、ストIVでは英国デルタレッドで隊長に昇進し男性隊員を束ねるまでになっている。

成長01
シャドルーを追って世界を駆ける刑事に。

成長03
アベルやまことにも名が知れるアクションスターに。

成長04
デルタレッド内でも部下を持つ指揮者に成長した。


普通に考えたら、みながそれぞれ成長する中、さくらだげが女子高生のままのはずがない。これはいったいどういうことなのか。ネット上では様々な憶測が飛び交った。それらをピックアップし、ひとつひとつ検証してみよう。


留年説

「さくらは留年し続けているためセーラー服を着ている」という説。たしかに『ザ・キング・オブ・ファイターズ』の草薙京や『ファイターズ・ヒストリー』の溝口誠など、留年し続けているため学生服を着ている。さくらもこれと同じではないのか?

留年
おっさんだけど現役学生だよ!

画集『ストIVオフィシャルコンプリートワークス』にストIVのキャラデザイナーのイケノ氏のコメントがある。

あくまでも僕の中の「さくら設定」は高校在学中、ダンを利用して世界を飛び回っているうちに2年ほど留年してる……という設定です。(中略)だから今でも現役女子高生なんですよ。ハタチを超えていようが、とにかく“現役”であることが大事。そうじゃないと単なるコスプレーヤーになってしまうじゃないですか!

まさにイケノ氏も留年していると考えていたようだ。しかしその後このように続く。

さくらの設定はいつの間にか決まっていたので、僕設定をプッシュできなかったのが非常に心残りです。

つまり、イケノ氏の留年設定は採用されなかったことになる。さくらは留年してセーラー服を着ているわけではないのだ。きちんと卒業したのだろう。しかし氏の言ういつの間にか決まっていた“真のさくら設定”はここでは語られなかった。


別人説

そもそもストIVのさくらはストZEROのさくらとは別人だとする説。ふたつはパラレルの関係にある交わらない世界で、ストIVのさくらはもともと“ストIVの世界で女子高生”であり、いわゆるZERO時代の過去を持ってないというもの。ストIVでリュウのファイトを見て格闘を始めたとし、物語のスタートが仕切りなおされているという考えである。

しかし家庭用ストIV発売後公開された映画『ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』の併映アニメ『feat. さくら』に次のようなシーンがある。さくらが若きリュウの写真をパスケースに入れ、大事そうに見つめているのだ。

若き日のリュウの写真
さくらが大切にしている写真…それは…。

さくらが若いころのリュウと出会い、写真を撮ったのは、まさにストZERO2のエンディングである。さくらとリュウの出会いはストIVの時ではなく、さかのぼること数年前、ZERO時代だということになる。残念だがパラレルワールドの別人説は消えた。

せめて記念に
「せめて記念に…!」
この時の写真を長い間肌身離さず持っているのだ。



さくらの卒業~その後とは?

留年しているわけでもない、ZEROと別人でもない、とすると、いったいストIVのさくらはなぜセーラー服を着ているのか。そのヒントは先に取り上げたショートアニメ『feat. さくら』にある。とりあえず、さくらのその後を探ってみよう。
まず気になるのは、友人のケイとの会話。夕暮れの公園で卒業後の進路について話すふたり。ケイは昔はいろいろ夢があったものの、今はこの先なにをしていいかわからないらしい。そしてさくらのことをうらやましそうに言うのだ。

さくらの試合02
「さくらには格闘っていう世界がちゃんとあるもんね」

さくらは卒業後、格闘の世界に進むつもりらしい。それを裏付けるように、ダンやブランカとともにサイキョー流を掲げ、ザンギエフと試合をしているシーンが描かれている。

さくらの試合05
場所は巨大なアミューズメントパーク。

さくらの試合03
そのパーク内の大ホールを埋め尽くす観客。
彼らが観に来ているのは、ザンギエフとさくらの試合だ!

さくらの試合04
セコンドにはダンが付いている。
さくらは格闘家としてデビューしていたのだ!


このようにさくらは高校卒業後、格闘家への道を進み、大ホールを埋め尽くすほどの人気選手になっていた!!中平正彦『さくらがんばる!』では体育教師になっていたが、それとは異なる道を選んでいたのだ。「このさくらは在学中の回想じゃないの?卒業後と言い切れるの?」という声もあろう。その他のシーンを見てみると、とても在学中ではないことがわかる。さくらが興行から帰宅した際は「3ヶ月ぶりの我が家か…」と言い、母親も自然に出迎えている。通常高校生がそこまで長期間家を空けることは不自然だ。また友人のケイは彼氏とハワイ旅行に行っており、お土産のお菓子がさくら宅へ届けられていた。旅行の規模からいっても大学生か社会人クラスであろう。高校生が彼氏とハワイなど簡単に行けるものではない。そして、さくらの「私って夢を叶えてるのかなあ」というつぶやきも、かつてケイと卒業後の将来の夢について語り合ったことを受けてのことだ。これは卒業後とみて間違いない。

ハワイ
ステキな彼氏とハワイ旅行。
ケイちゃんは社会人になったのかな?


セーラー服のワケ

さくらが卒業後、格闘家になったことはわかったが、かといってセーラー服を着続けている理由がわかったわけではない。さくらはなぜセーラー服のまま試合に出ているのか。同じくショートアニメ『feat. さくら』を見返してみよう。ザンギエフとの試合後に記者団による囲み取材がある。格闘を始めたきっかけやボーイフレンドの人数などさまざまな質問が飛ぶ。

さくらの試合01
試合後多くの記者がさくらに詰め寄る。
さくらは「今一番メディアを騒がせている女性」だそうだ。


そしてついにひとりの記者が核心に迫る!

囲み取材02
「ところで本当に女子高生?」

「ノーコメント!ノーコメントでーす…!」と焦るさくらをダンが無理やり車に押し込み、取材は強制終了となった。さくらがセーラー服を着ていることはツッコまれたくないことだったようだ。

みなさんはプロレス等にみられる“ギミック”というのをご存じだろうか。リング上で演じられる選手に付与されるキャラクターのことだ。本来の選手の経歴素性とは別に、インパクトを持たせるためわざと大げさにキャラを立てるのである。貴族のような立ち振る舞いのゴージャス・ジョージ、日本軍人のようなグレート・東郷、女性ではくのいちの乱丸、海賊の宝城 カイリなどが挙がる。もちろんそれぞれ貴族でもなければ軍人でもない、忍者でもなければ海賊でもない。それらは付与されたギミックなのだ。

ホントはイギリス人
プロレスラー時代のバーディー(イギリス人)。
ヒールを演じるため、ギミックとしてアメリカ人を演じていた。


さくらのセーラー服もギミックではないだろうか。さくらがストリートファイトを始めた当初、闘いは常にセーラー服だった。本人は「きちんとした身なりで勝負にのぞまなくちゃ相手に失礼」と語っている。(『さくらがんばる!』第1巻より) 彼女がストリートファイターとして名が通りはじめたころには“闘う女子高生”という肩書がついたであろう。高校卒業後、プロ格闘家に転身する際は、プロモーターとなったダンが、さくらのギミックとして、そのままセーラー服を利用したのではないか。記者からのツッコミを受けたさくらの照れ笑いを見ると、さくら本人もまんざらではない様子だ。

ストIV家庭用特典アニメ『~新たなる絆~』においても、春麗から「永遠の女子高生さん♪」と呼ばれていた。この「永遠の~」という言い回しは「永遠の17歳」井上喜久子さんや、「永遠の若大将」加山雄三さんなどの愛称として使用されるが、実際に17歳でもなければ若大将でもないことはおわかりだろう。「永遠の女子高生」もセーラー服をギミックとするさくらへの愛称なのだ。

またギミックは、転じて芸能人や芸人の演じるキャラクターという意味にももちいられることがある。セーラー服をギミックとして活用している芸能人はさくらのほかにもいるぞ。

セーラー服芸人03
故桜塚やっくん。
スケバンのギミックで人気を博した。

セーラー服芸人02
イモトアヤコ。
母校の制服を模した、自称“魅惑の女子高生”キャラ。

セーラー服芸人01
響(長友)。
野球部マネージャー・ミツコというキャラクター。


そして真実へ

さて、さくらのセーラー服はプロ格闘家として活動する際のギミックであり、すでに女子高生でないというのが当ブログの見解だ。これは様々な状況証拠から導き出したものだが、あとひとつ決め手がほしいのも確か。おそらく公式としては、本当の女子高生であってほしいと願うファンの心に配慮し、明言しないのだろう。しかし私のように真実を明確にしてほしいというファンも少なからずいるはずだ。そんな時、ストリートファイターの総括プロデューサー小野義徳氏のインタビューが見つかった。以下気になる部分を引用する。

今でもファンの方から、封書でさくらに対する熱い思いが送られてくることがあるんです。「なぜ小野さんは、高校を卒業した後のさくらを認めてくれないんですか!」と。もちろんその気持ちはわかるのですが、キャラクターへの想いがあるからこそ、僕はそのキャラクターが持っているシンボルをちゃんと見せてあげたいなと思うんです。さくらもいぶきも“女子高生”なので。年齢の問題については、女子高生“風”とするのが、今僕らが出せる精一杯の回答です。
新キャラってどんなヤツ!? ワロスコンボまだあるの!? 『スパIV』の小野Pを直撃!電撃オンラインより)

言質取ったり!!!!
つまり小野氏は、シンボルであるセーラー服を大事にしつつ、女子高生“風”としてさくらを登場させたというのだ!

【風(ふう)】
それらしいようす。ふり。

(goo辞書より)

風(ふう)ということは、さくらは女子高生ではなく、「女子高生らしいようす」をしていたことになる。ついに開発者からさくらの真実が聞き出せた!!イケノ氏が言っていた真のさくら設定とは、やはり女子高生ではないということだったのだ。他のインタビュー、雑誌などでもここまで真実に迫ったものはない。電撃オンライン、グッジョブである。そして一番の功労者は封書で小野氏にさくらへの熱い想いをぶつけたファンであろう。それが小野氏の堅い口をこじ開けたのだ。彼の行動は称賛に値する。



…まあ、送り主は私なんですけどね。
 
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プロフィール

りょう

Author:りょう
ストリートファイターの投げキャラ好きでパッド派。
ザンギエフやサンダー・ホークで十字キーをぐるぐる回します。



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