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ウワサの真相3 殺意リュウの生死とは

 
1987年の登場から長きに渡り愛されている『ストリートファイター』シリーズ。その歴史ゆえ、誤った認識で広まったものや、真偽が怪しいエピソードもある。今回のコラムでも、それらファンの間で語られるウワサについて検証したい。

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殺意の波動に目覚めたリュウは生ける屍

内に眠っていた悪しき波動に飲み込まれたたリュウ。いわゆる“殺意リュウ”であるが、これは死亡したリュウが殺意の波動によって動いている生ける屍だという話、みなさんは聞いたことがないだろうか。

死んでる?01
え?死んでるの??

殺意リュウは複数の作品に出ているが、この話はストリートファイターIVシリーズに限っての話らしい。スパIVAEで再登場した殺意リュウ、死してのちも邪悪な波動につき動かされていたのだろうか?さっそくストーリーを復習してみよう。

ううう
焼け野原のような場所に横たわるリュウ。
胸に大きな傷を負っている。


オープニング。“なにか”があったことを思わせる荒野。横たわるリュウの胸には大きな傷。そこから赤黒い気が立ち上っているように見える。やがて立ち上がり、殺意の波動こそ真の力を与えるものだとつぶやき、リュウは動き出す。

老いたな
乱入戦の相手は剛拳。
リュウの育ての親であり拳の師である。


「老いたな!引導を渡してやる!」と躊躇なく師を地に伏せるリュウ。「お前がいるべき場所に送ってやる!彼岸へとな!」の捨てゼリフとともに師のもとを去る。もはやリュウは正気を失い、見境なく拳をふるう悪鬼となっていた。

エンディング。セスを倒したリュウはシャドルー兵に銃を突きつけられるが、これを返り討ちにする。そして満月の夜に吼えるのだ。

満月の夜に吼える
もっと血を!死合いを!!

これが殺意リュウのストーリーである。結局、この物語だけでは死んでいるとか殺意の波動で動いているとか、そういう説明は一切ない。話の出どころはゲーム内の物語ではないようだ。いや、そもそもこのウワサはどこまで広まっているのだろう。ネットで「殺意リュウ/死亡」で検索してみる。すると…

出る出る!けっこうな数がヒットするぞ。殺意リュウが死亡している話は、主に『SUPER STREET FIGHTER IV &AE & ULTRA Wiki』を中心に広まっているようだ。(2017年3月13日現在確認)

そのいくつかを紹介しよう。

殺意リュウのページ】
「殺意の波動」に覚醒し狂人化したリュウとされるが、その実態はリュウ自身の自我で抑制していた「殺意の波動」が、狂オシキ鬼のUC1を受け殺害された反動で最大に活性化し、その魂魄と屍を摂り込んで「蘇生」に到った姿・・・つまりは「アンデッド」である。

殺意リュウ2012のページ】
狂オシキ鬼のUC1を受けてリュウが殺害された後、生前彼が自身の精神で抑え込んでいた“殺意の波動”が、その「死」の反動で最大に活性化し、その魂と肉体を取り込んで仮初の命となり蘇生に至った姿(簡単に言えばゾンビ)であり、死者の参戦はストリートファイターシリーズ初。

殺意リュウULのページ】
『ZERO』シリーズ等とは設定が異なり、リュウが狂オシキ鬼の冥恫豪波動を受けて死亡した際、その身に先天的に宿した殺意の波動が反動で最大に活性化し、屍と魂を取り込んで蘇生した姿とされている。

「アンデット」だの「ゾンビ」だとたいへんな言われよう。さらに「その身に先天的に宿した殺意の波動が最大に活性化し蘇生」などと生き返った経緯が、かなり具体的だ。攻略wikiはストIVプレーヤー有志によって書かれており、すべてが公式というわけではない。しかしこれだけの内容が書かれるにはそれなりの情報元があるはずだ。特に「狂オシキ鬼の冥恫豪波動を受けた」という部分は、ウィキペディアにも書かれており、背中まで突き抜けたような胸部の巨大な傷はこれが原因だという。さらにその情報元は『月刊アルカディア』2011年6月号であるらしい。さっそく確認を取ってみよう。綾野APが答えている。

殺意インタビュー

かなりあいまいだ!
「冥恫豪波動が殺意の波動に目覚めた理由かも」くらいの話である。言い切ってもいないし、そのために死んだとも書いていない。情報元を辿ってみると、この程度なのである。まあ言い切っていないものの、冥恫豪波動が原因でリュウの胸と背中には大きな傷が残り、それがもとで殺意の波動に飲まれたという点は間違いないであろう。

冥恫豪波動
体と貫き六方向に飛ぶ冥恫豪波動。
リュウは殺意の波動に目覚める。


きっかけが冥恫豪波動であることは正しいようだ。そこでこの「冥恫豪波動」で検索をかけてみたのだが、面白いものが見つかった。ニコニコ大百科である。狂オシキ鬼のページで冥恫豪波動の項目を見ていただきたい。

【冥恫豪波動】
本作の『殺意の波動に目覚めたリュウ』はこの技で殺害されたと思われ、殺意の波動の力で復活したと思われる

ここか!
「殺されたと思われる」「復活したと思われる」という執筆者の推測で記事が書かれている。きっとこの記事がのちの殺意リュウ死亡設定へとつながるのだ。つまりこういう流れである。

【アルカディア記事】
冥恫豪波動を見ればリュウが殺意の波動に目覚めたきっかけがわかるかも!(曖昧)

【ニコニコ大百科】
冥恫豪波動でリュウが殺害されたのかも!殺意の波動で生き返ったのかも!(推測)

【スパIVwiki】
冥恫豪波動でリュウが殺害されたのだ!殺意の波動で生き返ったのだ!(決め付け)

殺害を機に殺意の波動が活性化!それがかりそめの命として死亡したリュウを動かした!(俺設定)

正しい情報元には「死んだ」とは書かれていない。おそらく上記のように段階を踏んで推測が決定事項になり、さらに中二病的な俺設定が次々に追加されていったのだ。wiki系サイトの執筆にあたり、正しい情報元を確認しないで加筆してしまう。これが真相であろう。

結論:「殺意リュウが生ける屍」というのは公式設定ではない


ストVディレクター中山氏もこの件についてコメントしている。


「殺意リュウは死人っいう設定は、社内では聞いたことが無いですね。生きています。喋ってるし。」

「死人に口なし」という言葉があるが、これは逆に言えば「しゃべる者は生きている」ということである。殺意リュウはしゃべるのだ。それどころかルーファスに対し「これで終わる。その無駄口も、お前の生もな」、ハカンに対し「燃え尽きる準備はできているというわけか」などと、うまいこと言えるようになっている。殺意の波動はしゃべりも流暢にさせるようだ。コミュ力も上げるのか、先のアルカディア誌ではさくらと談笑する姿も描かれている。

さくらと談笑

しゃべってる

これは生きてますわ。
 
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プロフィール

りょう

Author:りょう
ストリートファイターの投げキャラ好きでパッド派。
ザンギエフやサンダー・ホークで十字キーをぐるぐる回します。



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